手びねりの器に釉薬をかける前に、知っておきたい三つのこと
2026年11月2日
形を作って素焼きまで進むと、次は釉薬です。ここで器の表面が決まるので、ちょっと緊張する場面かもしれません。難しい配合の話に入る前に、初めての人が押さえておくと安心な基本を三つに絞って紹介します。
一つ目は、素焼きの表面をきれいにすること
素焼きの器には、ほこりや粉が付いています。そのまま釉薬をかけると、はじかれて、まだらになりがちです。固く絞った湿ったスポンジで全体をそっと拭き、よく乾かしてから作業に入ります。水を含ませすぎると、器が水を吸い込みすぎて、釉薬が薄くなってしまうので注意します。
二つ目は、底を拭くこと
器の底の接地する面に釉薬が付いていると、焼いたときに棚板にくっついてしまいます。釉薬をかけ終えたら、底と、底の際のあたりを、湿ったスポンジできれいに拭き取ります。ここを忘れると、せっかくの器が取り外せなくなります。初心者がいちばん悔しい思いをしやすいところです。
三つ目は、厚さを均一にすること
釉薬は、厚すぎると流れてたれ、薄すぎると地肌が出て色が弱くなります。浸して引き上げる場合は、毎回同じくらいの秒数に揃えます。使う釉薬の性質で適した厚さは違うので、先に端材で試しておくのが確実です。
釉薬の種類と色の見え方
釉薬は、容器の中では、焼いたあとの色とは違って見えることがよくあります。白っぽい粉の状態なのに、焼くと深い青になるものもあれば、その逆もあります。色見本の焼き板を参考にし、自分の目で確かめられる範囲で選びます。
かけ方の種類
釉薬のかけ方には、浸し掛け、流し掛け、刷毛塗りなどがあります。浸し掛けは、器を釉薬の中に沈めて引き上げる方法で、全体にむらなくかけられます。流し掛けは、ひしゃくで器の内側や外側に釉薬を流す方法で、大きな器に向いています。刷毛塗りは、細かい部分に使いますが、塗りむらが出やすいので、二度三度と重ねて厚さを揃えます。
乾かしてから窯へ
釉薬をかけたら、しっかり乾かします。表面が乾いて白っぽくなったら、窯詰めの準備ができた合図です。乾く前に手で触れると、釉薬が剥がれてしまいます。持ち運ぶときは、器の底や、釉薬のかかっていない部分を持ちます。
焼き上がりを待つ時間
窯に入れたあとは、焼き上がりまで待ちます。待つ間に、次の器の形を考えるのも楽しい時間です。
試し焼きの習慣
いきなり本番の器で試すより、小さな板に同じ釉薬をかけて焼き、色や流れ方を確認してからのほうが、安心して進められます。窯で焼くかどうか、焼成の条件は、通う工房の指示に従います。